言熟文源録【ことば紀行】

ふっくら熟れたことばの実。そのタネをみつめる旅に、出かけましょう。

宮城谷昌光『晏子』(新潮文庫)を読んでみた

 
どーも、ふぎとです。
今日は宮城谷昌光晏子』(新潮文庫)をご紹介。 

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 この作品はブックオフで見かけ、ビビっときて即買い
しました。全4巻と結構長いんですが、小説としての面
白さも桁違いです。特に子どもの頃などに『三国志』や
水滸伝』にハマったという人にオススメです。という
のも、主人公の晏子サンが生きたのが、「春秋戦国時代
という中国の戦国時代なんです。そういえばマンガ『キ
ングダム』もこの時代を舞台にしてましたね。
 
 著者の宮城谷昌光さんは1945年、愛知県の生まれ。
早稲田大学に在学していた時から「早稲田文学」などに
作品を発表していたそうです。卒業後は、出版社などで
の勤務を経て『天空の舟』(91年)で新田次郎文学賞
『夏姫春秋』で直木賞を受賞。さらに93年には『重耳』
芸術選奨文部大臣賞を受賞してます。言ってしまえば
「古代中国時代小説」の旗手ですね。
 
 この『晏子』、いろいろ面白く読めるんですが、なん
といってもビジネス書としても読めるところがすごい。
例えば、晏子の上官、高固(こうこ)の対応を同僚の蔡
朝(さいちょう)が批判するこんなセリフがあります。
 
「情が薄い。兵は将軍の情によって働く
ことを、あの卿はわかっていない」
 
 こういうところ、今の「リーダーの素養」でもあるな
んて読み替えることができますよね。
 
ではでは今日はこの辺で。ふぎとでした。