言熟文源録【ことば紀行】

ふっくら熟れたことばの実。そのタネをみつめる旅に、出かけましょう。

哲学

マルティン・ハイデッガー『存在と時間』(ちくま学芸文庫) #57

難解な一篇だ。分け入っても分け入っても、奥があるように思われる。ただ今回、得心することもあったので、少し書き残しておきたい。 ◆ ハイデガーの師は、1916年にフライブルク大学で教鞭をとりはじめたフッサールだ。フッサールははじめ、『論理学研究』で…

【哲学のどんでん返し】ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫) #44

この記事から学べること ウィトゲンシュタインの思想 「言語論的転回」とは 「言語ゲーム」とは 自宅の「岩波空間」 いまの自宅には、高さ180cm、幅90cmの本棚が2架ある。その内の1つの最上段が「岩波空間」になっていて、学生のころ背伸びして買った『笑…

【構造を闡明する】九鬼周造『「いき」の構造』(講談社学術文庫) #32

文化は脱ぎすてることはできない(エドワード・ホール『かくれた次元』) 「いき」の構造 (講談社学術文庫) 作者:九鬼 周造,藤田 正勝 発売日: 2003/12/11 メディア: 文庫 今夜は「いき」を紹介したい。九鬼周造の著作である。彼が「いき」を書くまでのいき…

【第3の態と責任】國分功一朗『中動態の世界 意志と責任の考古学』(医学書院)#31

どーも、ふぎとです。今日は國分功一郎『中動態の世界』を紹介するよ。 中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) 作者:國分功一郎 発売日: 2017/03/27 メディア: 単行本 作品紹介 「能動的に動け」「主体的に考えよ」。ビジネス書で目にし…