言熟文源録【ことば紀行】

ふっくら熟れたことばの実。そのタネをみつめる旅に、出かけましょう。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【ながい午後をゆく】B.W.オールディス『地球の長い午後』(ハヤカワ文庫) #12

どーも、ふぎとです。今日はB.W.オールディス『地球の長い午後』を紹介するよ。 地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224) 作者:ブライアン W.オールディス 発売日: 1977/01/28 メディア: 文庫 作品紹介 1人の読み手として、作家の想像力・描写力に畏怖の念を…

【御免状はどこだ】隆慶一郎『吉原御免状』(新潮文庫)

どーも、ふぎとです。 今日は隆慶一郎『吉原御免状』を紹介するよ。 作品・著者紹介 明歴3年(1657)、浅草日本堤から江戸を見渡す男の姿があった。名は、松永誠一郎。「26になったら江戸に行き、吉原の庄司甚右衛門を訪ねよ」という師-宮本武蔵政名-の遺言…

【2回は読める離散小説】法条遥『忘却のレーテ』(新潮文庫)読んでみた

どーも、ふぎとです。今日は法条遥『忘却のレーテ』を紹介するよ。 忘却のレーテ(新潮文庫) 作者:法条 遥 発売日: 2015/10/23 メディア: Kindle版 誰でも、忘れたいことがある。忘れたくても、忘れられないことがある。では、「忘却薬」を処方されたら、…

「花柳界」はなぜ「花」と「柳」なの?

どーも、ふぎとです。今日は「花柳界」についての小ネタです。 小学館の『デジタル大辞泉』を見てみると、「花柳界」は「芸者や遊女の社会。遊里。花柳の巷(ちまた)」と説明されています。しかし、そんな芸者・遊女の社会がなぜ「花」と「柳」で表されてい…

【「使う」読書へ】藤井孝一『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)読んでみた

どーも、ふぎとです。今日は藤井孝一『読書は「アウトプット」が99%』を紹介するよ。 ......この本に出会ったのは、最寄りの「ブックオフ」だった。丁度、自分が「今のインプット偏重型読書を続けていると、ただの『オタク』になってしまう」と感じている時…

【ヘンとふつうの相対化】村田沙耶香『コンビニ人間』(文春文庫)読んでみた

どーも、ふぎとです。 今日は村田沙耶香『コンビニ人間』を紹介するよ。 …… ぼくがこの本に巡り合ったのは、自宅の最寄にある書 店だった。さくっとした小説が読みたい気分だったので、 160ページほどの本作を購入。 さてこの本作、主人公はコンビニでアルバ…

【禍福は門なし】呉兢『貞観政要』(ちくま学芸文庫)読んでみた

どーも、ふぎとです。今日は呉兢『貞観政要』を紹介するよ。 貞観政要 (ちくま学芸文庫) 作者:呉兢 発売日: 2018/01/26 メディア: Kindle版 この本を知ったきっかけは「ダ・ヴィンチニュース」の記事でした。僕にとっては『哲学と宗教』でおなじみ、ライフネ…